ゲートボールは5対5で競うチームスポーツだ。欠員が出れば代わりを探さなければならない。これが“衰退”の大きな理由になっているようだ。東京都内で20年以上プレイする男性(83)は次のように語る。

「1年ほど前にリーダー格のプレイヤーが亡くなって、次を探すのが大変だった。うちはやってくれる人が見つかったからよかったけど、そのまま自然消滅しちゃうチームも多い」

 技術によってチーム内で序列ができるのは他のスポーツでも同じだが、チームの人間関係に亀裂が入りトラブルに発展したケースも少なくない。過去には、1999年に鹿児島県で、70歳の男性がゲートボール仲間の女性に腕前をなじられ、女性を包丁で刺殺する事件も起きた。

 こうした事件がメディアにより大きく取り上げられたことで、ゲートボール=トラブルの火種といったマイナスの印象を世間に与えたことも敬遠される一因とみられる。

「ゲートボールは老人のスポーツである」というイメージそのものも足枷になっている側面もある。

「20年ほど前までは、60歳で定年になったら地域のゲートボールチームに入会するという流れがあったのですが、最近ではそうした『現役引退のイメージ』をネガティブに受け止める人もいるようです」(高澤氏)

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