「おみくじの原型を考案したのは、平安時代、比叡山延暦寺の元三大師・良源といわれています。現在のような個人の運勢を占うようなおみくじに発展したのは、鎌倉時代後期から室町時代。明智光秀は京都愛宕山でおみくじを引き、その神意に従って本能寺で織田信長を討ったという伝説も残っています」
始まりから1000年の時を超え、このおみくじに変化が。八木教授が続ける。
「パワースポット巡りや、御朱印集めなどのブームに続き、今は空前のおみくじブームが起こっています。
しかも、一昔前なら『凶』などのおみくじは境内の木の枝などに結んで帰ることが多かったのですが、最近は持ち帰って保存し、コレクションすることを目的としたおみくじが急増しているんです」
実際に本誌記者が神社を回ってみると、たしかに集めたくなるようなかわいらしい&ユニークなおみくじをたくさん発見! 厳選してご紹介しよう。
まずは、破魔矢発祥の地として知られる、新田神社(東京・大田区)の“一年安鯛”おみくじ(300円)。釣り竿で鯛の人形を釣り、その鯛の尾びれからおみくじを取り出すスタイルなのだが、女性や子供に圧倒的人気を誇っているという。
次に、水の神様を祀る、貴船神社(京都・左京区)の“水占みくじ”(200円)も女性たちやカップルに大人気。御神水におみくじを浮かべると、30秒ほどで文字が浮き出てくるのだ。
東京から参拝に来ていたヒロコさんとレイさんの27才OLコンビは、2人とも大吉!
「ふわっと文字が浮かんでくる瞬間がすごくロマンがあって、神聖な気持ちになれていいですよね」(ヒロコさん)
「私たち今は彼氏がいないんですけど、恋愛、願望の欄に書いてあることがすごくいいので、今年の秋には結婚できるかも(笑い)」(レイさん)
そしてこの水占みくじ、よく見ると、QRコードがついている。スマートフォンで撮影して読み込むと日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語で解説および音声で読み上げてくれるしくみだ。なんともハイテク…!
「海外からいらっしゃる参拝客からの問い合わせが多く、2016年からQRコードをつけ始めました。詳しい内容がわかると大変好評です」(高井大輔権禰宜)
この貴船神社から遠くない、鞍馬の火祭が行われる由岐神社(京都・左京区)の“天狗みくじ”(500円)も開運マニアにはたまらないレアみくじ。3cmに満たない小さな天狗みくじはキーホルダーになっているのだ。
最後に、海外客にも喜ばれているのが、神田明神(東京・千代田区)。フィギュアメーカー海洋堂とのコラボで、巫女さんや熊手など7種類あるフィギュアをガチャガチャで引くカプセルフィギュア(400円)の中に“人生指針神話くじ”がついている。