次に京大を見ていこう。京大は法学部の後期試験を除いた集計になる。トップは19人合格者が増え82人となった北野(大阪)だ。このままトップとなると、1984年以来34年ぶりのトップで、まさに名門校の復活だ。同じく大阪の天王寺も19人増えて61人で3位に入った。
大阪では普通科とは別に、2011年から進学に力を入れる文理学科を府立高10校に設置。2016年には北野と天王寺は普通科を廃止してすべて文理学科にし、今年からは残りの8校も普通科を廃止してすべて文理学科になる。
学区が撤廃された大阪では優秀な大阪北部の受験生は北野、南部の受験生は天王寺に集中する傾向があり、「北野が京大トップになるのは時間の問題」(地元塾関係者)と言われてきた。
一方、公立高に押される中高一貫校だが、合格者が増えているところも少なくない。2位の洛南(京都)が8人増の76人、5位の西大和学園(奈良)は17人増の57人、7位の大阪桐蔭は今年トップの伸びの22人増の51人合格だった。ただ、近年、西日本の私立中高一貫校では医学部人気が高く、京大合格者はあまり増えない傾向にあり、公立高の伸びの方が大きい。
また、近畿圏外からの合格者が多いのも京大の特徴だ。最近は首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)からの合格者が増えている。2008年に比べて、合格者に占める割合は6.6%から11.8%にアップ。逆に地元の近畿地区からの合格者は減っており、全国区人気になってきている。東大が地元の首都圏からの合格者の割合が、10年前と比べて43.2%から55.6%に上がっているのとは対照的だ。京大人気が高まっている証しともいえるだろう。
●文/安田賢治(大学通信ゼネラルマネジャー)