──歴代の甲子園出場校の中でも屈指の短い時間ですね。そんな中で、どんな野球を見出しましたか?
吉原監督:スピーディー野球です。
──それで全てのメニューを計測するという発想に?
吉原監督:その結論に行き着くまでに、何年かかかりましたが、時間を区切っていくしか方法はないということで、タイムを計測していくやり方になりました。練習時間は短くて全部できないので、最低限この練習とこの練習はしたいと思ったら、時間で区切るしかないという発想です。90分は守備30分、バッティング30分、トレーニング30分が基本系で、冬場であれば、ノック20分、守備練習20分、バッティング30分、トレーニング20分とかに区切っています。
──平均試合時間が1時間48分とは、出場校中、ナンバー1のスピーディー野球ですね?
吉原監督:はい、速いです。貧打だから、速いんです(笑)。テンポよくいきたいです。プロ野球を見ると野球が長く感じます。
──昨今の野球は「時短」がトレンドですから、高校球界のフロントランナーと言えますね。
吉原監督:そうですね。シンプルに考えれば、野球はストライクを打っていかないと、点数は取れません。打てないチームだから、待っていくのも一つの作戦としてあるかもしれませんが、それが難しい場合は初球からでも、あまいボールを打っていく形は崩さずにいこうと考えています。逆に2ストライクからワンバウンドのボール球を振ったりするのは、ものすごく嫌います。
──紅白戦でも、カウント2ボール2ストライクから練習したり、工夫していますね。
吉原監督:これを経験しておけば、打者は1-1とか、0-0でのカウントで気持ちの余裕が生まれ、逆に投手はその1球が大事になります。