──平成最強と言われ、今回も優勝候補の大本命に挙げられる大阪桐蔭は、監督から見てどんな風に感じていますか?
吉原監督:横綱級の対戦チームは、九州大会での沖縄尚学で、8対0で完封負けましたが、9回までやれただけでも良かったです。(しばらく間をおいてから)大阪桐蔭ですか・・・。うちと比べたら、社会人野球くらいのレベルの差だと思います。(謙遜しながら)もし対戦したら、うちの選手がケガしないかなと思います。(※取材は組み合わせ抽選会より以前に行なった)
──甲子園では伊万里のどんな野球を見て欲しいですか?
吉原監督:(前回の唐津商は)ゲームにはなるだろうと考えていましたが、今回は怖さもありますね。だから、意外性でいきたいです。多分、ほとんどの方が(うちが)負けるって思っているはずなので、「下手だね」と思われながら、力みなく勝ちたいです。
──甲子園で、2007年に佐賀北のがばい旋風があった。今回、伊万里旋風が起これば、地域活性化を考える全国の町にとっては追い風ですね。
吉原監督:部員36人全員が地元出身。公立校は地元の子供たちで甲子園に出るのが大事だと思います。伊万里市周辺はそもそも人口も少ない上に、子供も少ないから野球人口も減っています。極端な話ですが、田舎になればなるほど野球ができなくなる。レベルの低下はもちろんですが、公立校にとっては野球部の存続さえ危ないと思っています。真剣に、野球人口の減少に関しては取り組んでいかなくてはいけません。だからこそ、我々が頑張れば地域の活性化にもなるし、そして野球の底辺拡大に繋がると思います。
【PROFILE】吉原彰浩監督(よしはら・あきひろ)
1975年2月24日生まれ。武雄高校から福岡教育大学に進学後、保健体育科経論として1998年に唐津西、2005年に唐津商で監督を歴任。2011年夏、北方悠誠投手(BC信濃)を擁して夏の甲子園に出場。2014年4月から同校監督を務める。