──例えば、時短野球を意識するあまり、ピッチャーが投げ急いだりしませんか?
吉原監督:うちのピッチャーは、それでいいんです。テンポで抑える方が簡単じゃないですか。だから、ピッチャーは投げ急がせます(笑)。たとえ、それがバレても問題ないです。その姿勢を崩さずに、相手がこっちに合わせようとしてくれれば、何てことはありません。
──ということは、吉原監督の出すサインもスピーディーですか?
吉原監督:サインは普通ですが、メチャクチャ速いです(笑い)。
──ブルペン投球は5秒に1球、素振りは5秒に1本、ティー打撃は2秒に1スイング。この練習はかなり大胆な発想ですね。
吉原監督:例えば、ブルペン投球は1分で12球が基本です。それを割ったら5秒に1球ということです。1分間投げたら1分休憩のインターバルを取ります。でも、この練習の目的はスピーディーではなく、別にあります。5秒に1球を投げることで、肩のスタミナをつけながら、フォームを安定させるのが目的です。とにかく急いで、同じことを繰り返しているうちに体が覚えます。それを植え付けるための練習が5秒に1球であって、いつもその投球練習をしているわけではありません。
──ベンチに置いてあるタイマーで全体練習を管理し、5人の女子マネージャーが各メニューの計測をする役割ですか?
吉原監督:そうですね。人と話している時間的な余裕がないので、計測してからその結果をノートに書くようにしています。
──出場36校の顔ぶれを見て、監督の分析では、伊万里は何番目くらいの実力ですか?
吉原監督:冷静に考えて36番目です。「抽選会でうちが1番人気だろうね」と、冗談で言ってます(笑)。
──甲子園で対戦したい学校は?
吉原監督:どうせなら県内に無いような特徴のあるチーム、例えば、駒大苫小牧や花巻東と対戦してみたいです。野球に特徴があるし、ただ単にゲームをして、勝った負けたではなくて、何かを吸収して帰って来れそうな気がするからです。