──今年は、選抜が90回、夏は100回の記念大会。各校力の入れ具合が違うが、特に優勝候補に挙げられる大阪桐蔭の印象は?
森林監督:選手の素材が素晴らしいですし、それをチームとしてまとめている西谷浩一監督も凄いなと思います。素材を集めて、勝ったら当たり前とか言われてしまいますが、でも素材を集めても、チームとして機能させていくのはそう簡単ではありません。かなり細かいことを徹底してやっていかないと、チームはバラバラになってしまうと思います。いい素材を集めてくることと、その素材を上手くまとめ上げて、両立できているところが大阪桐蔭の強さじゃないかと思います。
──最後に、選抜に向けて決意を聞かせて下さい。
森林監督:(甲子園出場は)そう簡単ではないし、1回甲子園に行ったから、そんなに簡単に行ける場所ではないこともよく分かっています。選抜という全国大会で日本一にチャレンジする権利を得たので、当然出るからには一戦勝つとかではなくて、日本一を狙ってやっていくのが目標です。もう一つは、慶應のエンジョイベースボールを見て、こういう高校野球のスタイルもあるなと、野球は楽しそうだなとか、新鮮なものを感じてもらいたいです。
勝敗に一喜一憂するよりも、もっと大きなことをやりたいなというのが根底にはあります。大きいことを言えば、野球人口を増やせるような野球の魅力を発信できる試合ができたら最高です。
【PROFILE】森林貴彦(もりばやし・たかひこ)
1973年6月7日生まれ。東京都出身。慶應高校から慶應大学。大学では慶應高校の大学生コーチ。卒業後、NTTを経てから指導者を志し、筑波大学大学院に通いながらつくば秀英コーチ。2002年から慶應幼稚舎教員をしながら、母校コーチや助監督を経て、2015年8月から同校監督に就任した。