併願の難しさから志願者減の慶応大学(写真:時事通信フォト)


 一方、慶應義塾大もトップは開成の165人だった。開成は首都圏で人気の東大、早稲田、慶應の3大学すべてでトップだ。

 慶應の学部別トップはすべて異なる学校で、開成は理工学部でトップだった。2位は都立の日比谷の131人で、経済学部でトップだった。3位は浅野(神奈川)の125人で、総合政策学部でトップ。現役合格者数では96人でトップだ。浅野は慶應に強い学校として知られる。

 10年前と比べて合格者が最も増えたのが昭和学院秀英(千葉)だ。51人増の71人合格だ。共学の中高一貫校で、最近、大学合格実績が伸びている。千葉では渋谷教育学園幕張、市川、東邦大付東邦が進学校として人気が高いが、それに続く進学校として人気が上がっている。今年は東大合格者も昨年の2人から6人に増え、東邦大付東邦に並んだ。

 合格者増の2位は日比谷で、3位は早稲田大系属の早稲田だ。早稲田は早稲田大に卒業生の半数が進学するが、東大にも36人が合格する進学校だ。慶應にも合格者が増えている。生徒の自主性を重んじる進路指導を行っている結果だろう。

 早慶とも人気大学であることは間違いない。しかし、近年1都3県からの学生が増えている。合格者の1都3県の割合を10年前と比較すると、早稲田が57.8%から72.8%、慶應が59.5%から74.1%に大きくアップしている。両校の関東ローカル化が進んでいる。かつてのような全国区人気が求められているようだ。

●文/安田賢治(大学通信ゼネラルマネジャー)

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