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中朝首脳会談 服装に見る両国リーダーの貫禄の差

中朝首脳会談では貫禄の差が…

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、中朝首脳会談での両国夫妻のコーディネートに注目。

 * * *
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が、ついに外交デビューした。初外遊先はやはり中国、習金平(シュウ・キンペイ)国家主席との首脳会談だ。そして今回は、妻の李雪主(リ・ソルジュ)夫人も同行していた。

 移動は北朝鮮の特別列車で、北京までの所要時間は26時間という長旅。途中の駅では厳戒態勢が引かれたため、中国の国営メディアが発表するまで、北京入りした北朝鮮の要人が金委員長なのか、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏なのか…と憶測が飛んでいたほどだ。

 姿を見せた金委員長は黒の人民服。胸にあのバッジはない。昨年の軍事パレードや今年の新年の辞で見せた紺やグレーのスーツ姿でもない。北朝鮮のトップとして正装である人民服を着用し、訪中の間はそれで通していた。

 同じく外交デビューした李夫人は、ベージュのジャケットを羽織ったように見える膝上丈のワンピース。胸元にブローチを着け、同じ色のハイヒールを履いていた。茶色は落ち着き、安定、安心、素朴さを印象づける色である。2日目も白のシンプルなノーカラージャケット。胸に付けていたのは紺色のコサージュだろうか。初外交にあたって、どちらも自分を主張しない色とデザインだ。

 迎えた習主席は黒のスーツにワインレッドのネクタイ。強さや華やかさを表すとともに重厚で温かく、落ち着いた印象を与える。大国として懐を開いて金委員長を迎えるには、適した色だろう。ワインレッドは、トランプ大統領の真っ赤なネクタイほど積極性や攻撃性、活動性を印象づけないが、明るさや強さに加えて、充実感や成熟した感じを与える色になる。そのためこの色のネクタイは、首脳会談だけでなく企業のトップが集まる会合などで目にする機会が多い。

 習主席が2日目に選んだネクタイは寒色のきれいなブルー。冷静で知的、爽やかで信頼できるイメージだ。温かく迎え入れたが、ここからは冷静に北朝鮮の出方を見つめ、判断するという意思が含まれているような印象だ。

 習主席夫人である彭麗媛(ホウ・レイエン)氏は、李夫人とは真逆で、ファーストレディーの存在感や貫禄を、白地に黒の大きな柄が入った柔らかいワンピースでアピールした。もともと国民的な歌手であり、中国で最も人気があるファーストレディーは、大胆な柄も美しく着こなしてしまう。

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