国際情報

米朝首脳会談で主導権握るカギは会談場所 日本は蚊帳の外に

米朝会談は本当に実現するのか(コリアメディア提供・共同通信社)

 罵詈雑言の応酬を続けていたトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長による首脳会談が5月末までに実現しようとしている。

 2人が急転、電撃会談を行なうと、どちらが主導権を握るのか、それをみる上でのカギが「会談場所」だ。

 正恩氏が留学していたとされるスイスの外務省が対話を支援する用意があると表明するなど、複数の候補地が挙がっている。

「トランプ氏は強気に米国内を指定するのではないか。正恩氏がそれを呑むかわからないが、父・正日の時代の最高幹部、趙明禄(国防委員会第1副委員長=当時)は2000年10月にワシントンを訪問したこともある。米国での開催なら、会談はトランプ氏ペースで進む」(外務省関係者)

 一方で、“板門店での米韓朝首脳会談になる”というシナリオも浮上してきた。4月末に南北首脳会談を行なう韓国の文在寅・大統領は21日、「南北と米国の3者による首脳会談につながる可能性もある」と3者会談の可能性に言及。南北会談の会場である南北軍事境界線の板門店で、米朝首脳会談も開かれる場合、そこに文氏が同席するという見方も出てきているのだ。

 そうした協議が加速するなか、日本はすっかり蚊帳の外だ。米朝首脳会談の報を受け、安倍首相はトランプ氏と4月初旬に訪米して首脳会談することで合意していた。ところが、トランプ氏の日程が合わずに同月中旬にずれ込む見通しとなり再調整している。

「森友文書問題で窮地の安倍首相のとっておきの逆転シナリオは、米朝接近に乗っかるかたちで2004年の小泉訪朝以来となる“日朝首脳会談”を行ない、“拉致被害者を帰国”させること。それをなんとしても政権浮揚策にしようとしているが、このままでは米国に置いていかれてしまう……」(同前)

 ゴルフをして深めたはずのトランプ氏と安倍首相の仲だが、いざという時にはあまり役に立たなそうだ。

※週刊ポスト2018年4月6日号

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン