ビジネス

定年後の起業 月10万円稼げばいいという気持ちでやるべき

━━金融機関はやたらと「貯蓄から投資へ」と煽っていますが。

大村:退職金をもらって投資家デビューする方は多いですが、ほとんど失敗します。それは短期での売買で売却益(キャピタルゲイン)を狙うからです。そんなにうまい話はありません。私の知り合いで元証券マンが定年退職してから個人投資家デビューしましたが、退職金を目減りさせてしまい、仕方なく再就職したくらいです。それよりもトヨタ自動車など安定的に配当を出す企業に長期投資して配当金をもらう方法を考えた方が賢いです。普通預金金利が0.001%ですが、過去10年のトヨタの配当をならすと年1.5%にもなります。株価が安い時期に買った人は年4%のリターンになります。

 高齢者は失敗したときに挽回することができないので安全第一。元金を確保するならば、国が元金と利息を保証している変動金利型10年満期個人向け国債がいいですね。歴史的な超低金利で0.05%と低いですが、政府が目標としているインフレになった場合、金利も上がるので銀行の普通預金に入れておくよりは絶対にいいです。

━━定年後に起業するという道もあります。

大村:個人事業主として起業する場合は、借金をしないことは大前提として、趣味と実益を兼ねて無理せずに月10万円程度稼げばいいという気持ちでやることが重要です。起業すれば、いろいろなお金が経費として計上できます。パソコン代やスマホ使用料、書籍購入費や打合せ飲食費などはほぼ100%経費で落とせます。また青色事業専従者給与というものを利用して奥さんに給与を払うことにすれば、節税にもなります。

 また、もし事業が成功して売り上げ1000万円を超えるようだったら会社組織にして、健康保険や厚生年金にも入ることができます。国民健康保険より割安ですし、年金額を増やすという観点からも絶対お勧めです。キモは自分の報酬を最低限に抑えることです。税金や保険料は安くなります。給料が少なくとも、その分経費を使い倒して生活レベルを維持することも可能です。雇用保険にも入れます。

 気を付けることは社長にはならないことです。社長になってしまうと雇用保険には入れませんから。奥さんや知人と会社を興して、その人たちに社長をやってもらい、自らは従業員となることで最大限の果実を享受しましょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
水原一平容疑者の半生を振り返る(C)BACKGRID,Inc/AFLO
《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」
週刊ポスト
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン