ライフ

【法律相談】告知せず会社辞めたら賃金カット 違法では?

急な退社でペナルティ?

 会社に不満を持つ者なら誰でも一度は言ってみたいのが「じゃあ辞めます!」というセリフ。しかし、急な告知で仕事を辞めたペナルティとして賃金をカットされてしまった場合、これは労働基準法違反ではないのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 妻は派遣会社を通してパートに就いたのですが、急に体調を崩して辞めることに。その際、派遣会社は「1か月前に辞める意思を伝えなかった場合、賃金の2割をカットする」と通達。納得できない妻は労働契約書を見せてほしいといったのですが、見せてもらえず。これらは労働基準法に抵触していませんか。

【回答】
 労働者から申し出る退職には民法が適用され、雇用期間の定めがない場合は原則として2週間経てば無条件で退職できますが、有期契約では3か月の予告期間が必要です。使用者が契約期間中の労働を期待して労務政策を立てているからです。

 それでもやむを得ない事情があれば即時退職できますが、使用者に生じた損害を賠償する必要があります。例えば人手不足で、高額の賃金で雇ったような場合です。ただし、ご質問では体調不良が原因で、やむを得ない事情ですから、奥さんは実際に会社に発生した損害を賠償すれば退職できます。

 なのに、会社は契約で合意しているからと給与を2割カットにするといっています。これは額の当否は別にして不当な主張です。なぜなら労働基準法第16条で「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めているからです。というのも違約金の支払いを免れるために嫌でも働き続けることになり、事実上、労働を強制されることになるので禁止されています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン