「道徳心があるとかないとかが、学校で評価されることなのか。まるで親のしつけまでテストされているように感じて気分が悪い。まして国や郷土を愛しているかどうかなんて個人の勝手でしょう」(小5男児の父親)
そもそもこれまでの道徳の授業は、あるにはあっても「適当に教材を読むか、行事の準備の時間に当てたりしていた」(都内の小学校教師)というのが実態だったようだ。
戦前の日本の道徳教育は「修身」という科目だったが、愛国心教育に偏ったことを戦後、GHQが問題視し授業を停止、その後1958年に「道徳の時間」として復活してからも、教科としては扱われなかった。
その地位を一気に押し上げたのが、安倍政権だ。第一次政権時代に首相肝煎りの教育再生会議で「徳育」という名称での教科化を提言するも頓挫したが、第二次政権では着実に教科化を推し進め、実現にこぎ着けた。
今年春からまずは小学校で教科になり、来年からは中学校でも同じく教科としての道徳が始まることになる。
※週刊ポスト2018年4月20日号