1617年に建立された東京を代表する寺院・築地本願寺に、昨年11月に書店がオープン。
「お寺の垣根を低くし、もっと仏教に親しんでもらえるようにと、本だけでなく、カフェやグッズ販売コーナーなども新設しました。ここは浄土真宗のお寺ですが、宗教に関する本ばかりではなく、作家のエッセイや精進料理の本などの読み物も充実させています」(築地本願寺代表宗務長・安永雄玄さん・以下同)
堅苦しくならないように、入り口付近の棚には、「やわらかめ」と題して、生き方や命の重みにまつわるエッセイやマンガなどの本を配置するなど、並べ方にもこだわっている。
「築地本願寺の銀座サロン(銀座2丁目)では、毎週水曜と木曜、僧侶に人間関係や将来の不安等を相談できる『よろず僧談』を行っています。
ここで、おすすめの本を尋ねることもできますし、書店スタッフに“人間関係のヒントになるような本はありますか?”などと声をかけてもらえば、それにぴったりの本を紹介してくれます」
利用客は40~50代の女性が多く、仏教入門書が人気だ。
「浄土真宗の住職で、教授でもある釈徹宗さんの人生相談書は、落語やユーモアを交えた文体で読みやすく、入門にはぴったりです。
また、『会釈』や『我慢』など、よく使われる意外な仏教用語などが書かれた『くらしの仏教語豆事典』や料理本『イタリアン精進レシピ』(ともに本願寺出版社)などが売れ筋です」
人生に悩んだ時、ここを訪れれば、ヒントになる一冊に巡り合えそうだ。
※女性セブン2018年4月19日号