国内

全国で1134ある道の駅 「いい」条件は生鮮品が揃ってること

“オバ記者”が道の駅をレポート(撮影/菅井淳子)

「鉄道に駅があるように、道路にも駅があっていいじゃないか」。1990年、広島の小さな交流会で発せられた地元の人の言葉が、化学反応を起こして産声を上げた道の駅。今や全国で1134駅が土地柄をキュッと凝縮させて、私たちを出迎えている。それにしても、こんなに人を興奮させ、笑顔にする施設がかつてあったかしら。女性セブンの名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子がレポートします──。

 * * *
 数年前までは、温泉に行った帰りに立ち寄る程度だったが、近頃は、道の駅のハシゴをするついでに温泉にも行く。そんな声をよく聞くようになった。もちろん道の駅にも○×△があって、基本コンセプトの「24時間無料の駐車場とトイレ」「道路情報、観光情報、緊急医療情報」「観光レクリエーション施設」がそろってはいるけど…と、脱力するしかないところもある。

 それだけに「アタリ」を引き当てたときの喜びといったらないのよね。全国の道の駅の1059駅を訪れた道の駅の達人・浅井佑一さんによると、「いい道の駅の絶対条件は、生鮮品がそろっていること。その上で泉質がすぐれた温泉や眺めのいいレストラン、豪華トイレ、絶品ソフトクリームなどがあると◎ですね」と言う。

 私はそこに、「売り場の人が、『来てくれてありがとう』という気持ちが顔に出ている」を付け加えたい。

 こうなると、われを忘れてあれもこれもと買いまくり、帰り道にその重さに後悔。でも台所に立ったら、「あれも買っておけばよかった」と後悔する。そして、また訪れずにはいられない。こんな罪深い道の駅を、この取材でまた増やしてしまった。

●新潟県『能生』

 朝捕れの紅ずわいがには能生漁港に上がったらすぐに、漁師のおかみさんがゆでて冷凍・冷蔵。それが店先に山と盛られていて、どんどん試食させてくれる。そして買うと、「はい、おまけ」とさらに1杯、2杯と積み重ねてくれる豪快さ。

「すぐ食べる? 冷暖房付きの室内で、手洗い場も完備している“カニかに館”もいいけど、芝生で食べたら気持ちいいよ」

 漁盛丸の中村小夜子さんにすすめられてさっそく。一度やってみたかった、かにの一気食いを、今日こそ実現できると思うと胸の高鳴りが抑えられない。

「ああ、おお、うま~」

 かにまみれの幸せについ、「酒もってこ~い」と叫んでしまった。

 漁盛丸に並ぶ紅ずわいがには1杯1000~4000円。かにみその入り具合が確認できるよう、腹側を上にして並べている。全国発送OK。

住所:糸魚川市大字能生小泊3596-2
営業時間:かにや横丁8~17時半
休業日:1月1日(かにや横丁は1・2月は一部店舗のみ営業)

※女性セブン2018年5月10・17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン