涙ながらの会見だった
「不倫という犯罪性のないスキャンダルでもこれだけの重いペナルティが課せられるわけです。世間は女性の不倫により厳しい目を向ける、というのはありますが……。山口の場合はベッキーや矢口よりももっと難しいのは間違いないでしょう。昨今『#MeToo』ムーブメントがあり、福田淳一財務次官のセクハラもあそこまで大問題になっただけに、『強制わいせつで書類送検』の言葉の迫力を企業は重く受け止めます」
◆TOKIOの他の4人への影響
矢口やベッキーに関しては、「新たな旅立ち」「気分一新」などをアピールしたい商材のCM制作打ち合わせでは大抵名前が挙げられたという。そこで展開を皆で考えるのだが、ひとしきり盛り上がった後に「でもダメだよね~」となるのが会議の定番の流れだった。どこかで矢口とベッキーを許してもいいのでは、という気持ちが会議の参加者の間にはあったのだ。
さらに言えば、矢口とベッキーは不倫であったが、今回は未成年の被害者もいる「事件」である。2017年6月に未成年女性との飲酒と不適切な関係を持ったとして「無期限謹慎」処分となっている小出恵介は、夜中に少女をバーに連れ出したことによって大阪府青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検された。小出は12月に不起訴処分となったが、スキャンダル発覚から1年近く経っても復帰の目途は見えていない。山口の場合はそれよりも重い「強制わいせつ」容疑であり、仮に不起訴処分になったとしてもイメージを大事にするCMへの復帰は厳しいだろう。
では、TOKIO全体への影響はどうか。会見を生中継で見た広告代理店のクリエーターがこう語る。
「山口の無期限活動停止というのは、一番うまいおさめ方だと思います。他の4人のメンバーは何も悪いことをしていないだけに、個々人の評価は業界でも変わらないと思います。これにより、『TOKIO』というブランドは維持でき、4人で『TOKIO』としての活動を続けられるわけです。
とはいっても普通に考えると、CMには使いづらいですね……。セクハラに厳しいこのご時世ですから、起用した場合に『何やってるんだ!』『4人でも、山口を連想してしまう!』『セクハラ容認企業なのか!』と言われるかもしれない。頭では『TOKIOの他のメンバーは悪くないけど……』とわかっていても、起用には二の足を踏む企業が相次ぐでしょう」