スポーツ

大谷翔平 自ら「羽生世代」と呼び、同級生アスリートを意識

世界を舞台に活躍する1994年生まれのアスリートたち(写真/アフロ)

 今シーズン、米メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに移籍し、二刀流での活躍を果たしている大谷翔平(23才)。その「同級生」には錚々たる面々が名を連ねる。

 フィギュアスケートの羽生結弦、水泳の萩野公介・瀬戸大也、サッカーの浅野拓磨・南野拓実、柔道のベイカー茉秋、卓球の丹羽孝希、スピードスケートの高木美帆、バドミントンの桃田賢斗・奥原希望など、世界を舞台に活躍する若きアスリートたちはみな、1994年生まれなのだ。スポーツ評論家の玉木正之氏が指摘する。

「過去に星野仙一・田淵幸一世代や桑田真澄・清原和博世代、松坂大輔世代など野球界では“○○世代”が生まれることはありましたが、1994年生まれの顔ぶれのように各ジャンルにまたがることはなかった。これには大きな時代の変化を感じます」

 大谷と並び1994年生まれのツートップである羽生もまた大谷同様、早くから世界を意識していた。高校1年時の担任で、羽生自身が「最も影響を受けた先生」として挙げる高橋敏之さんが振り返る。

「羽生選手は体育の時間にクラスメートとはしゃぐなど、幼い一面が残っていて、表立ってフィギュアについて熱く語ることはありませんでした。でも雑談でふと『五輪に出るの?』と聞いたら、『出たい、ソチに出てみたい』と即答。当時は喘息に悩まされて演技が終わるとひざをつくほど体力がないような状態でしたが、この頃から、彼が見据えていたのは世界だった」

 リオ五輪競泳で金、銀、銅と3つのメダルを獲得した萩野も、幼い頃から高いレベルを目指してきた。小学校3年から高校3年まで萩野を指導した前田寛コーチが振り返る。

「小3の頃から天性の能力があって連戦連勝でしたが、中2のときに、後に“永遠のライバル”となる瀬戸大也くんに初めて負けました。一度悔しさを味わったことで、『瀬戸に負けたくない』『世界で勝ちたい』という気持ちが強くなり、ハードな練習を怠けず頑張るようになった。周囲のプレッシャーも強かったですが、高2のW杯から『水泳を楽しむ』という気持ちが芽生え、それをきっかけにグングンと伸びていきました」

“競技を楽しむ”という姿勢が共通する萩野と大谷はプライベートでも仲がよく、萩野は大谷のメジャーでの活躍ぶりを「すごいっすよねえ! 相当すごいと思う。でも本人はまだまだこんなもんじゃないって思っていると思う」と大絶賛。また、大谷は自らを“羽生世代”と呼び、1994年生まれの面々を意識している。世界を意識している同士だからこそ、自然と絆が深まるのだろう。

 2016年のリオ五輪で初出場ながらレスリングで金メダルを獲得した1994年世代の川井梨紗子選手が言う。

「同じ五輪という舞台で2連覇を目指すアスリートとして、競技は違えど、羽生選手の活躍ぶりにはいつも刺激を受けています。とくに、選手としては致命傷ともいえるけがを負った中でも必ず結果を残すことは本当にすごい。高校の頃から“最終目標”として掲げていた五輪で金メダルを獲得し2020年の東京五輪に向けて2連覇を目指している今、全力で情熱を傾ける同期たちの存在は頼もしい」

※女性セブン2018年5月10・17日号

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト