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2018.05.02 16:00  週刊ポスト

【嵐山光三郎氏書評】西部邁氏による日本と日本人への絶望

 北海道庁に「北方領土返還」の横断幕が張られているだけで、日本人は真剣な政治的主張として国際社会に訴えてこなかった。「領土は戦争の勝利(もしくはそうしようとする努力)で取り戻すもの」という国際社会の冷厳な事実を直視せよ。

 西部氏は吠える。自裁する前に言っておきたいことを、あれもこれもかたっぱしから呻く。対米追随しか外交方針を持てず、ひたすら技術システムを普及させる日本への絶望。日本のほとんどすべてが「人間の商品化」となった。

 西部氏が求める人生最大限綱領は「一人の良い女」「一人の良い友人」「一個の良い思い出」「一冊の良い書物」である。同書で唐牛真喜子さんが亡くなられたことを知った。一年半ほど前、新宿のバーK(西部氏が最後にウォッカを飲んだ店)で、たまたま真喜子夫人と逢い、唐牛健太郎の思い出を話したことを思い出し、バーKへ行って西部氏を偲んだ。

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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