●高い音の目覚ましが聞こえなくなったら70代

 自分の耳の年齢を判定する基準はあるのか。日本橋大河原クリニック院長の大河原大次医師(耳鼻咽喉科)はこういう。

「加齢にともなう聴力低下は、鼓膜や中耳の問題ではなく、音を感じる神経の衰えが原因です。これを感音難聴といい、すべての人に起きます。

 歳を取って感音難聴が進行すると、8000ヘルツ以上の高い音から聞こえなくなっていきます。最近の目覚まし時計のアラーム音は8000ヘルツぐらいの周波数なので、聞こえなければ70代以上の耳といえます」

●野球中継で実況が聞き取れなくなったら70歳以上

 高齢者が住む家から、テレビの音が大音量で漏れ出していることがよくある。しかし、音の大きさは実はあまり関係ないという。

「感音難聴の特徴は、『ニュース番組のアナウンサーの声』はよく聞こえるのに、たとえば野球中継で『ホームランの際の実況』は聞き取れないこと。スタジアムの大きな歓声と解説者の声が重なったために聞き取れないのです。加齢にともなう感音難聴は、聞き分ける力が落ちるのが特徴です」(前出・大河原氏)

 自身の体の真の年齢を把握することで、健康生活に役立てていただきたい。

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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