「気が短い」(韓国情報機関・国家情報院)とされる半面、その周到さも多くの専門家が認めるところだ。

 2011年12月28日に行われた金総書記の永訣式で、軍・党・政府の高官とともに、正恩氏は霊柩車に伴って歩いた。

 軍総政治局の内部資料によると、正恩氏は「将軍様と永訣する行事で、粗相があってはならない」と言い、「冷たい風が吹く深夜」に二度にわたって霊柩車に手を添えて歩く予行練習を行ったという。

 こうして万全な準備を整えていた正恩氏は、父の逝去後、ほどなく権力を掌握し、「恐怖政治」を敷いた。そして幹部や側近といえども異論を許さなかった。

 韓国のシンクタンク・国家安保戦略研究院によると、正恩氏が最高指導者となってからの5年間で、粛清された幹部らは、叔父の張成沢元国防副委員長をはじめ340人に上る。

 2013年2月に開かれた党中央軍事委員会では「山奥で落ちる針の音も聞き逃すな」と指示を出している。自分を脅かす勢力の台頭に極度の警戒心を持っていることがうかがえる。

 北朝鮮関係者によると、首都平壌の人口を年内に5%削減する方針も打ち出した。約14万人減らす計算で、体制に不満を持つ人々らを地方に強制移住させるという。

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