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台湾人が描く大日本帝国台湾『嘉南大シュウの父 八田與一』

「嘉南大シュウの父 八田與一」(イラスト/KCN)

 台湾のアーティスト、呉旭曜(ペンネーム:KCN)の作品が注目を集めている。1972年生まれで現在46歳の彼は、日本統治時代の台湾で活躍した人々を独特のタッチのイラストで描いている。「日本時代」をテーマにした背景には、アイデンティティが定まらぬ現代台湾人の苦悩があった。台湾を代表する現代アーティストである呉の作品を紹介しよう。

【嘉南大シュウ(シュウは土編に「川」)の父 八田與一】
 八田與一は東京帝国大学卒業後、1910年に台湾総督府の技術官僚として赴任。各地の上下水道整備を担当した後、発電や灌漑事業を手がけ、1930年には烏山頭ダムを10年の歳月をかけて完成させる。

 技術士養成所を設立するなど台湾人材の育成にも貢献。その功績は、今でも多くの台湾人の記憶に残り、台湾の教科書にも記載されている。現在、烏山頭ダムの畔には、八田の銅像と八田夫妻のお墓が祀られ、毎年5月8日には慰霊祭が行われる。

文・作品解説■藤重太

【プロフィール】(ふじ・じゅうた)1967年東京生まれ。千葉県成田高校卒業後、台湾大学に留学。卒業後は、日本と台湾の企業民間交流のコミュニケーション・コーディネーターとして活動中。「台湾から日本の原点回帰を」がモットー。

※SAPIO2018年5・6月号

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