ビジネス

マンション売り時 市場、建物、人生から決断するタイミング

大規模修繕も売り時をはかるタイミングになる

 首都圏で発売された新築マンションの平均価格が1990年のバブル期以来の水準になっている。「買い」も旺盛なら、不動産市場が高騰しているうちに「売り抜けたい」と考えている人もいるだろうが、マンション売却のタイミングは難しい。住宅ジャーナリストの榊淳司氏に、“売り時”を逃さないためのポイントを挙げてもらった。

 * * *
 よく「今はマンションの買い時でしょうか?」という類のご質問をいただくが、「いいえ。今はどちらかというとマンションの売り時ですね」とお答えしている。

 では、なぜ今はマンションの売り時なのだろうか? それを解説する前に、そもそも「売り時」とは何なのかを考えてみたい。

 まず、私は「売り時」には次の3種類があると思っている。

(1)市場から見た売り時
(2)その方の人生での売り時
(3)物件=建物としての売り時

 ここでは(3)から解説したい。物件としての売り時とは、そのマンションが建物としての価値を大きく損なう前に「売り抜ける」ための売り時である。具体的にいえば、その見極めは3つほどある。

(A)修繕積立金の値上がり前
(B)大規模修繕工事の前
(C)築35年を超える前

(A)について説明すると、ここ10年ほど前から新築マンションの修繕積立金を安く見せる姑息な販売方法が蔓延している。

 マンションを購入すると毎月管理費や修繕積立金その他を払わなければいけない。管理費はほぼそのまま管理会社に業務委託費として支払われる。これは日々の経費だから操作できない。

 ところが、修繕積立金は管理組合がプールしておいて修繕工事の必要が応じた時に支出する。あるいは十数年に一度の割合で行われることが多い、大規模修繕工事のために積み立てられる。

 新築マンションの場合、販売サイドは売りやすくするために月々の維持コストである管理費や修繕積立金を安くしたい。管理費は安くできないが、修繕積立金はこのように即刻は必要ないので、最初は安くしておいて徐々に値上げしていく方式が採用される。だいたい15年後には3倍から4倍に値上げするケースが多い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
ネット上では苛烈な声を上げる残念な人がうごめいている(写真/イメージマート)
ネットで見かける残念な人たち…「朝ドラにイチャモン」“日本人じゃないと思う”の決めつけ【石原壮一郎さん考察】
NEWSポストセブン
荒川区には東京都交通局が運行している鉄道・バスが多い。都電荒川線もそのひとつ。都電荒川線「荒川遊園地前」そば(2020年写真撮影:小川裕夫)
《自治体による移動支援の狙いは》東京都はシルバーパス4割値下げ、荒川区は実質0円に 神戸市は高校生通学定期券0円
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
「戦争から逃れてアメリカ移住も…」米・ウクライナ人女性(23)無差別刺殺事件、犯人は“7年間で6回逮捕”の連続犯罪者
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン
大ヒット上映を続ける『国宝』の版元は…(主演の吉沢亮/時事通信フォト)
《映画『国宝』大ヒット》原作の版元なのに“製作委員会に入らなかった”朝日新聞社員はモヤモヤ  「どうせヒットしないだろう」とタカをくくって出資を渋った説も
週刊ポスト
米マサチューセッツ州で18歳の妊婦が失踪する事件が発生した(Facebookより)
【犯人はお腹の子の父親】「もし私が死んだらそれは彼のせい」プロムクイーン候補だった18歳妊婦の失踪事件「# findKylee(# カイリーを探せ)」が最悪の結末に《全米に衝撃》
NEWSポストセブン
不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
「不倫の“証拠”には『強い証拠』と『弱い証拠』がある」探偵歴15年のベテランが明かすまず集めるべき「不貞の決定的証拠」
NEWSポストセブン
違法賭博胴元・ボウヤーが激白した「水原と大谷、本当の関係」
《大谷から26億円送金》「ヘイ、イッペイ。翔平が前を歩いてるぜ」“違法賭博の胴元”ボウヤーが明かした「脅しの真相」、水原から伝えられていた“相棒の素顔”
NEWSポストセブン