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2018.05.11 16:00  NEWSポストセブン

チュート徳井が出演者を見守る『DTテレビ』に涙腺が緩んだ話

DT出演者を見下さない徳井義実(イラスト/ヨシムラヒロム)

 2000年代初頭、「30歳までに童貞を捨てなければ魔法使いになれる」という都市伝説がインターネットの世界を駆け巡った。その頃から独自の価値を持つようになった「童貞」は「DT」と呼ばれるようになり、今ではチュートリアルの徳井義実が司会をする『DTテレビ』(AbemaTV)という番組を生み出した。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、DTにやさしく寄り添うがゆえに、ただ笑えるだけでは済まされないDTをめぐる複雑さについて考えた。

 * * *
 2002年、日本が自国開催のサッカーW杯で盛り上がっている頃、1冊の本が上梓された。その名は『D.T.』。

 著者は「マイブーム」を作った男・みうらじゅん、そして深夜ラジオのカリスマ・伊集院光だ。サブカル青年に多大なる影響を与えた2人が組んだドリームマッチブックである。本著では、みうら、伊集院の両氏が「童貞時代が長かったやつほど、想像力豊かな人間になれるんだ!」と提言。ダサいイメージが付いた”童貞”という言葉も”D.T.”に名称変更。「D.T.はカッコいいものである!」と世の中の価値観に一石を投じた。

 あれから十数年、名著『D.T.』は2013年、文庫化にあたり『DT』と改題。この著作を中心に起きたムーブメントのおかげもあって童貞はカッコいいものになった! なんて上手いこといくはずもなく、あいも変わらず童貞はくすぶり続けている。

 そんな変わらない現状を変えるために、DTに再びメスが入った。今回は本ではなくウェブTV。今現在、AbemaTVでは童貞をテーマとした1時間のバラエティ番組『DTテレビ』を毎週、金曜深夜に配信中だ。

 AbemaTVの出資元サイバーエージェントと云えば、日本を代表するリア充企業。僕も何人か知り合いがいるが、皆スクールヒエラルキーのトップを走ってきた精鋭。(しかも、性格まで良かったりする)。DTとサイバーエージェントは相容れない。それなのに、なぜ今頃になってDT をピックアップするのだろうか。その答えは『DTテレビ』の冒頭、司会を務めるチュートリアルの徳井義実の番組説明で明らかとなる。

「20代のおよそ4割、5人に2人はいるDT達に送るDTバラエティ『DTテレビ』!」

 あくまでも予想ではあるが、2002年よりもDT の比率は増えているだろう。徳井も「日本の少子高齢化に対抗する番組」とボケる。

 番組の視聴ターゲットであるDTの数は、かなり多いと見た! つまり、DT向けの番組を作ることはトリッキーでもなんでもなく、正攻法なのである。

『DTテレビ』の特徴は、現役のDTが数多く登場しているところ。スタジオのひな壇には、芸人DT、バンドマンDT、居酒屋アルバイトDTが座る。最高なのは、出演するDTのネームプレートには名前とともに真正、A済み、B済みのいずれかが記載されていること。(なお、Hなお店で行った場合は”ビジネス”も追記される)。DTにも番付を設ける、ここだけで『DTテレビ』の異常なDTへの執着が分かる。

 そんなDT達が毎回様々な企画に挑戦していく。今までDTを取り上げる企画といえば、DTの不慣れな女性の扱い方をバカにするものが多かった。しかし、『DTテレビ』の場合はそんなことは一切しない。番組のキャッチコピーでもある「ほとばしる、行き場のないエネルギー」が爽やかな笑いを紡ぎ出す。

 生身の女性と接すると分かるが、想像以上に男女間は厄介なもの。付き合いが長くなり、現実を知るほどに女性に夢を見なくなる(お互い様だけど)。しかし、生身の女性を知らないDTは理想を語る。

 番組で、ゲストのグラビアアイドル・吉野七宝実から「カワイイ」とアプローチされたDT芸人のヒロム(奇しくも筆者のヨシムラヒロムと同じ名前)。恋に落ちたヒロムは、番組内で吉野とデートをすることに。水族館で美しい魚を見たのち、2人は併設されるカフェでお茶をする。

 パフェを注文した待ち時間、真っ先にヒロムは「結婚したらどんな家庭を築きたいか?」と吉野に問う。DT時代は誰もがそうなんだ、付き合ってすらいないのに目の前にいる女性との結婚生活を夢想する。続けて「僕は子供が好きで大家族に憧れるんです。吉野さんは子供何人ぐらい欲しいですか?」と再びヒロム。そこでワイプに映る徳井が「お前、産まそう、産まそうとするやんけ!」とツッコミ。

 番組中、徳井はこのようなテンションでDT達を見守る。ツッコミながらも常に暖かい目線。今まで配信した回は全てチェックしたが、徳井がDTをマウンティングしたことは一度たりともない。優しい兄貴な態度でDTの奮闘っぷりを笑いへと転化させていく。『DTテレビ』は、この切り口が新鮮だ。

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