また、ジェイアール東日本企画の「Move実態調査2017」によると、20代の1か月あたりの移動回数は37.3回で70代の40.8回を下回り、20代~70代の全年代中最低だった。20代は高齢世代よりも外出に消極的で、単純計算では1日あたり1.2回しか移動していないことになる。「家にいるのが好き」と回答した人の割合も20代が26.1%で最も高く、次が30代の25.1%だった。
幼少期からインターネットと携帯端末があり、自宅で時間を過ごすことに慣れているからだと考えられるが、このように低欲望で内向き・下向きで出不精な価値観やライフスタイルのミレニアル世代は、20年後の日本経済を駆動していくパワーが足りないと思うのだ。
一方、現在の40代・50代はバブル景気を謳歌したり、その余韻に浸っていたりした世代である。すべてが右肩上がりで円高の恩恵もあり、海外旅行や高級ブランド品などを満喫しながら「それ行けどんどん」でやってきた人たちだ。20年後、60代・70代の彼らがやる気になれば、下の世代がアグレッシブではないだけに、相当活躍できるのではないかと思うのである。
◆「もう○歳だから」は禁句
しかも、2040年に「シンギュラリティ」が訪れたら、いま20代~50代がやっている仕事の大半はAIやロボットに置き換えられてしまい、人間でなければできない仕事はクリエイティブな分野や労働集約型の作業など非常に限られてくるだろう。
そこでシニアの出番となる。60代・70代の人たちには若い人たちにはないビジネスの経験と人的ネットワーク、若干の資金がある。それを活用することで、若い人たちよりも向いている仕事、能力を発揮できる分野が少なくないのだ。