岩国刑務所では、受刑者の適性を見極めた上で、満期釈放前の職業訓練で、高齢受刑者は不慣れなワードやエクセルの基本操作などを習得することもできる。ただ、それでも課題は山積みだ。
「最近の65歳以上はとても元気だから、出所後はお金を使ってまだまだ遊びたい。でも、仕事は見つかりづらいし、公的支援も“施しは受けない”と嫌がる人が多い。そんな事情から、“刑務所のほうがいい”と再犯につながることが、やはりあるのです」(前出・高杉氏)
この国では、「理想の老後」を“塀の外”で見つけることのほうが、難しくなっているのだろうか。
■取材/末並俊司、高橋ユキ
※週刊ポスト2018年5月25日号