芸能

石橋蓮司 老人たちのかつて騒いだ血と怨念を代弁したい

最近は老人役を求められることも

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、役者・石橋蓮司が悪役を演じるときに役柄ごとに心がけていること、老人役を求められる最近になって代弁していきたいことについて語った言葉からお届けする。

 * * *
 一九八五年のNHK時代劇『真田太平記』での遥くらら扮するヒロインを執拗に狙う忍者役など、コンプレックスで歪んでいる悪役を演じる時に石橋蓮司の魅力はより一層感じられる。

「全くその通りですよ。俺自身、学校も何も中途半端に生きてきましたから。それで十代半ばから二十代半ばまで凄くコンプレックスを抱えていました。みんながいろんな職業に就いているのに俺だけ取り残されているな、という意識があって。意地汚さとか、劣等感とか。とにかく、勉強もしてなかったし、手に職もなかったから、世の中にどんどん置いていかれている気がしていました。ですから、そういう役をもらうと非常にやりやすい。なぜそうなっちゃうのかっていうのが、よく分かるので」

 九五年の山崎努主演『雲霧仁左衛門』(フジテレビ)など、時代劇では寡黙な役柄を二枚目的な格好良さで演じることも。

「それは時代劇だからですよ。時代劇だとどんな極悪人でも様になる。閉鎖された世界だから、現代劇だとおかしいと思うことでも強調してできるんです。

『雲霧』は山崎さんの役を支える情念を演じたかったから、二枚目的にいきました。俺の好きな世界なんですよ。自己犠牲して自分の命を断つ、みたいなのが。非常に血が滾(たぎ)ってきます」

 時に憎々しく、時にカッコよく、時に飄々と──悪役だけでも石橋の芝居は幅広い。

関連記事

トピックス

無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン