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パの乱闘珍伝説 鈴木康二朗はパンチ空振りでヒジ伸びて引退

昭和のパはとにかくスゴかった

 日本のプロ野球は現在観客動員数も絶好調だが、かつては「人気のセ、実力のパ」といわれた時代もあった。裏を返せばパ・リーグには人気がなかったという意味でもある。球場は閑古鳥が鳴き、テレビ中継はない。そんなパ・リーグでは、数々の伝説が生まれた。近鉄、中日、西武で活躍した金村義明氏が、当時のパ・リーグについて語る。

 * * *
 昭和のプロ野球選手の3点セットは「ベンツ、ロレックス、金のブレスレット」。髪型はみんなパンチパーマか角刈りです。それにサングラスと真っ白のスーツという“ヤクザファッション”で、凄みを出して粋がるのが一流の証だったんです。

 パ・リーグは特に酷くて、酒や女遊びをやらないと変人扱い。賭け事もやる。まさに「飲む、打つ、買う」を地でいくのが主流でした。来年の契約もわからない中で、翌日の試合のことも考えずに遊びに没頭する。ただ、二日酔いの状態でもひとたびグラウンドに立てば真剣勝負。それが昭和の野球人でした。

 そして忘れてはならないのはプロ野球の華、乱闘です。僕は入団したのが近鉄でしたから、それはもうたくさん経験させていただきました。

 当時はケンカっ早い選手や、乱闘になると水を得た魚のようにベンチから飛び出す選手がどの球団にもいましたが、近鉄はそんな乱闘要員が何人もいたので、乱闘には強かったんです。

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