アンケートでその原田を抑えて1位に輝いたのが、元WBA世界ライトフライ級王者で、13回連続防衛の日本人最多記録を誇る具志堅用高である。
「いまや“おもしろいオジサン”扱いだが、ダウンした相手になおも殴りかかろうとする気迫には圧倒された」(会社役員・63)
「具志堅は『100年に一人の天才』と呼ばれていた。今、井上尚弥が『200年に一人の天才』と言われているが、具志堅を超えるのはまだまだ早い」(公務員・50)
ところがこの結果に、本人は意外とそっけない。
「僕は強いというか、ただ努力しただけ。当時の世界戦は今と違って15Rあって(現在は12R)、フルラウンド戦えるようにしっかり走り込んで、スタミナをつけてやってきただけ。
僕以外にすごいボクサーなんてたくさんいた。テレビで見た大場(政夫)さんは根性があったし、生で初めて見た輪島(功一)さんは2回も王座に返り咲く強い気持ちがあった。原田さんのラッシュとスタミナには敵わないしなぁ」
その謙虚な姿勢こそが、偉大な防衛記録を生んだのかもしれない。
※週刊ポスト2018年6月15日号