何を言いたいかと言えば、山尾は不倫疑惑をまったく抜きとして、政治家として評価できないということだ。不倫疑惑で個人攻撃が沸騰し、昨年の衆院選において、無所属にもかかわらず愛知7区で自民公認公明推薦候補を800票差の僅差で破ったのは、選挙民が山尾の過去を受け入れ、彼女の再起を願ったということなのか。
いや、元来中京地区には製造業系の大企業が集積し、そのせいで労働組合の組織票が強く、伝統的にこの地域が民主党王国とされてきたからだろう。ただし、次の解散時、山尾が代議士の地位を保持できるかはまったく疑問である。
※『女政治家の通信簿』(小学館新書)より
【PROFILE】ふるや・つねひら/1982年、札幌市生まれ。文筆家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開。近著に小説『愛国奴』。2018年6月13日(水)19:00より、八重洲ブックセンター本店にて舛添要一氏とのトークショー&サイン会「日本に女性首相が誕生する日」を開催予定(http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/14138/)。