国内

動物愛護法改正 犬猫を虐待から守るには免許制や厳罰化も

女優の浅田美代子ら有志が主催し「8週齢規制、各種数値規制、繁殖業の免許制を求める緊急院内集会」を開催

 ペットの流通過程での問題点をご存知だろうか? 流通により、年間約2.4万頭のペットが命を落としているのである。こうした不幸な運命をたどる犬や猫を救うカギとなるのが動物愛護法の改正だ。

 5月21日女優の浅田美代子(62才)ら有志が主催し、「8週齢規制、各種数値規制、繁殖業の免許制を求める緊急院内集会」を衆議院第一議員会館で開催された。動物愛護法は、1973年に議員立法によって制定され、その後1999年、2005年、2013年に改正されてきた。そして、今秋の国会で改正が論議される予定だ。

 改正が繰り返されてきたとはいえ、まだ実効性に乏しい部分も多いのが現実で、以下の3つにおける改正が急務とされている。

◆8週齢規制
 犬や猫が免疫力と社会性を身につけるためには生後8週は必要で、それ以前に親やきょうだいから引き離しての出荷を禁止するという規制が必要とされる。8週齢前に引き離すと、人を噛むなどの問題行動が増え、殺処分の問題にもつながる。

 欧米では多くの国が8週齢規制を適用し、日本でも5年前の改正動物愛護法内に明文化された。しかし、附則で現在は実質7週の49日で出荷できるとされ、骨抜きの改正となってしまった。今回の改正では、これを本来の生後8週(56日)で実効化させることがまず求められる。

◆各種数値規制
 繁殖回数や飼育施設の広さ、従業員数に関する数値規制などを、具体的に明記しようというもの。

 今年3月、福井で犬猫約400匹を過密飼育した業者が、虐待容疑で刑事告発された事件も発生したが、現行の法整備化では「虐待と認定するのは難しい」とされる。県の対応も、最も軽い「指導」止まりだ。数値規制が明確な基準で設けられていないことには、自治体としても踏み込んだ判断がしづらいのだ。

 劣悪な環境で飼育・繁殖させる業者を取り締まるためにも「繁殖回数、飼育施設の広さ、従業員1人当たりの上限飼育数」などの明確な数値基準が必要とされている。

◆繁殖業の免許制度導入
 繁殖業の免許制導入は、現行の登録制から免許制への変更を求めるもの。より厳しい免許制にすることで、簡単に繁殖業を営めないようにする狙いがある。これら3つが動物愛護法で改正されれば、不必要な繁殖が減少することはもちろん、無駄に命を落とす犬や猫が減ることにつながるだろう。

「動物虐待に対する罰則強化」についても、改正が叫ばれている。というのも、現行の動物愛護法では人間が動物に危害を加えたり、殺したりしても、量刑が軽い。罰則を懲役2年以下・罰金200万円以下から、5年以下・500万円に強化することも検討すべきだ。

※女性セブン2018年6月28日号

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