◆南北で不法占拠を正当化

 そうならないために、どう交渉すればいいのか。

「日朝交渉のテーマを拉致問題だけに絞るのではなく、安倍首相は金正恩に『竹島』の返還を要求するという揺さぶりが考えられます」

 そう話すのは『父・金正日と私 金正男独占告白』などの著書がある東京新聞論説委員の五味洋治氏だ。

「日朝首脳会談が実現すれば、日本が否応なく非核化費用や賠償金など莫大な資金負担を求められる。しかも、拉致問題の全面解決には時間がかかる。その前に日本が非核化の費用を負担せざるを得ないのであれば、その“着手の見返り”として金正恩に竹島の領有権放棄を突きつける。この問題については、首脳会談で北から大幅な譲歩を引き出せるチャンスがある」

 島根県の「竹島」は、現在、韓国に実効支配されている。ここで五味氏が着目するのが、北朝鮮も竹島の領有権を主張している点だ。

 そもそも竹島が歴史的に日本固有の領土であるのは様々な文献記録からして疑いようのない事実だが、第2次大戦後、韓国の李承晩・大統領が、「朝鮮固有の領土」と一方的に不法占拠して軍事要塞化した。一方で、北朝鮮も、〈独島(竹島の韓国名)は鬱陵島とともに遠い太古の昔からわが民族の手によって整えられ歴史を受け継いできた朝鮮の島〉(朝鮮中央テレビの2011年の放送)と領有を主張して独自の切手まで発行している。

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン