「北朝鮮にすれば実効支配していない竹島の領有権に韓国ほどのこだわりはない。そこで、安倍首相が『放棄するなら、日本が核放棄の費用の一部を出してもいい』と持ちかければ、資金が喉から手が出るほど欲しい金正恩が乗ってくる可能性は十分にある」
もちろん、北が領有権を放棄しても、韓国に実効支配されたままの状況に変わりはない。だが、北朝鮮が「朝鮮固有の領土」という主張を取り下げれば、韓国の主張する正当性への疑問につながり、日本の説明が国際社会で力を持ち得る。
安倍首相には、相手のペースに嵌まらない強かなディール(取引)が求められている。
※週刊ポスト2018年7月6日号