「そういう声があるのは理解しています。僕は、もともと幼少時から人前で歌うのが好き、人に笑ってもらうのも好き、スイーツも好き、中学時代はアナウンサーにもなりたかった、ラジオのパーソナリティもやってみたかった、ロックスターにも憧れた。
でも、ロックというのもやりたかった一つの枠にすぎない。その枠さえもどんどんぶっ壊して、本当に自分がやってみたかったことを自由に思いっきりやってみたい。その結果、また求めてくださる方、喜んでくださる方、応援してくださる方がいて、今の僕は成り立っている。何に対しても、やると決めたら情熱を持って真剣に思いっきり楽しみながら取り組んでいれば、少しでも僕のことを気にかけてくださるファンの方には、感じて頂けるものがあると思う。
いつかは声が出なくてなって、歌えなくなる日が来るかもしれない。バラエティ番組でも、飽きられて声がかからないかもしれない。それは、そう遠くない将来に起こり得ます。だから、今は自分を出し惜しみせずに、子供の頃から夢見てきたことを精一杯やっていきたいんです。そして人生は必ずやり直せるということを実践してみたい。
今は、初めての青春が来たと思っています。50歳過ぎてるんですけどね(笑)。遅春(おそしゅん)来たって」
そう語る声と顔は、明るかった。
【プロフィール】Toshl(龍玄とし)/1965年、千葉県生まれ。1989年にバンド「X」のボーカリストとしてメジャーデビュー。1997年自ら脱退し、バンドも解散。2008年に再結成し活動再開。2018年8月には自身がテーマソングを手掛ける人気RPG「ORDINAL STRATA」のキャラクターソング集を新たな名称「龍玄とし」名義でプロデュースしリリース予定。