舛添:その厳しさは私自身、経験したことがあります。20人集まったと思ったら、いろんな切り崩しがあって、フタを開けてみたら1人抜けていた、2人抜けていた、となっているんです。
古谷:なるほど。外国を見渡せば、韓国でも台湾でも女性指導者が出ているのに……どうすれば、日本では女性指導者が誕生しますか。
舛添:もっと裾野が広くないといけないと思います。日本のプロ野球が強いのは、甲子園に行ける高校、そこに選手を送り込む中学、野球に親しむきっかけを作る小学校があるからでしょう。政治の世界でいえば、女性の地方議員、市会議員を増やすことに他なりません。
地方議会なら、仕事をしながらでも、家族の理解があれば参加できる場合がある。また、年中あるわけではない町議会、村議会、市議会レベルの議会は、夜間に開催できるようにすればいい。そうすれば、子育てや仕事があっても参加できます。いきなりメジャーリーガーが出てくるわけではない。まずはべースを作るべきなのです。
※『女政治家の通信簿』刊行記念トークショー(6月13日、八重洲ブックセンター)より。
【プロフィール】
◆ふるや・つねひら/1982年、札幌市生まれ。文筆家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開。近著に小説『愛国奴』、『女政治家の通信簿』。
◆ますぞえ・よういち/1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。2001年参議院議員(自民党)に初当選し、厚生労働大臣等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。近著に『都知事失格』。