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多数決はとり方で結果も変わる 候補者3人以上で機能せず?

多数決=民主主義といえるのか?

 衆議院選挙やアメリカ大統領選、プロ野球のオールスターファン投票、AKB総選挙……多くの民意を集約する方法として「多数決」で代表者や順位などを決めるのは一般的だが、多数決のとり方によっては結果も変わってしまうことをご存じだろうか。必ずしも「多数決=民主主義」といえないカラクリについて、ニッセイ基礎研究所上席研究員の篠原拓也氏が解説する。

 * * *
 選挙では、投票が行われる。選挙は多数決によって集団の意思決定をするもので、民主主義の基本的な制度といえる。少数派の意見を尊重することを前提として、多数決によって選挙の勝利者を決めたり、集団の意思を集約したりする仕組みとして合理的とみられている。

 多数決といえば、まず「シンプルな投票」として、候補者の中で、各メンバーが推す候補者1名に投票し、最も得票の多かった候補者を勝利者に決定するというものがある。この方法は、一番多くの支持を集めた候補者が勝つというもので単純明快である。日本では地方自治体の首長選挙などで、この方法が用いられている。ただし、候補者が3人以上いるときには、問題が生じることもある。

 選挙でたまに目にするのが、候補者が3人いて1人を選ぶときに、最多得票で勝利した人の得票率が50%未満の場合だ。この場合、2位と3位の候補者の得票率の合計は、50%を超えていることになる。もし、3位だった候補者が立候補していなかったとしたら、その候補者の得票分は、1位か2位の候補者に渡っていたはずだ。もしかしたら、2位の候補者が勝利していたかもしれない。

 このような候補者が3人以上いる場合の問題に対処するために、1回目の選挙で過半数の得票に達する候補者がいない場合、上位2名によって再度選挙を行う方法をとる制度もある。これは、「決選投票」と呼ばれる。フランス、フィンランド、コロンビア、チリなどの大統領選挙では、この方式が採用されている。

 あまり知られていないかもしれないが、日本でも国会での衆参両院での首班指名にはこの方法が用いられることとなっており、実際に過去に数回、決選投票が行われている。決選投票には、最終的に過半数の支持を得た候補者が勝利するため有権者の納得感が高いというメリットがある。反面、投票が2回に渡る可能性があり、その場合、時間や手間がかかるというデメリットもある。

 別の対処法として、「ボルダ投票」と呼ばれる方法がある。投票者は、複数の候補者に順位をつけて投票する。例えば、「第1位にA候補、第2位にB候補、第3位にC候補」などと投票する。順位ごとにあらかじめ得点を設定しておく。第1位は3点、第2位は2点、第3位は1点という感じだ。開票では、候補者ごとに順位に応じた得点を合計する。最終的に、最多得点を獲得した候補者が勝利する。

 ボルダ投票は、日本のプロ野球で、年間最優秀選手(MVP)を記者の投票で選ぶときに用いられている。サッカーでは、各国代表チームの監督と主将の投票による国際サッカー連盟(FIFA)の年間最優秀選手賞が、この方法で行われている。ボルダ投票は、第1位だけではなく、第2位や第3位を含めた幅広い支持を反映できるメリットがある。ただし、投票や開票がやや複雑になることがデメリットといえる。

 シンプルな投票、決選投票、ボルダ投票のうち、どの方法をとるべきか。次のケースを見てみよう。

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