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スズキの新型ジムニー 熱狂的なジムニストの期待裏切らぬ車

スクエアな車体が新鮮な新型ジムニー(鈴木俊宏社長)

 クルマのフルモデルチェンジといえば、かつては4年に一度がお約束だった。さすがにいまでは5年から8年ぐらいにフルモデルチェンジの幅が伸びているクルマが多いものの、スズキが7月5日に発売した4代目となる軽四輪駆動車「ジムニー」と小型四輪駆動車「ジムニーシエラ」の20年ぶりというのは突出している。

 初代が1970年~1981年、2代目が1981年~1998年、3代目が1998年から2018年と少しずつフルモデルチェンジの期間が伸びているが、今回の突き抜けた趣味感、道具感を示した新型ジムニーは、同車に乗った経験がない筆者でも一目でワクワク感を覚え、この先どんなにCASE(クルマの通信化、自動化、共有化、電動化)が進展しても残ってほしいと思わせるものを持っていた。

 まして、それがジムニーオーナーや従来からのファンならなおさらだ。オーナーはバンパーやフロントグリル、車高上げなどのカスタマイズを楽しむ人が多いことでも知られ、そうしたコアなファンは総称して“ジムニスト”と呼ばれている。

 ジムニー、ジムニーシエラはこれまで、世界で285万台を販売し、内訳は海外が203万台、国内が82万台だが、海外は軽の規格がないので全量、小型車のジムニーシエラとなり、逆に国内は82万台のうち、75万台が軽のジムニーで占めているという。初代登場から48年、まさにグローバルなロングセラー商品といっていい。

 ジムニーの生い立ちや変遷について、スズキ四輪商品第二部チーフエンジニアの米澤宏之氏はこう語っていた。

「ジムニーはいわばスズキの顔。初代は軽で唯一の本格四輪駆動車として登場し、当初は産業用、法人用に限られ、価格も高くて年間5000台程度の市場でした。

 その後、廉価で手軽なをコンセプトに開発したこのクルマが評価され、小回りの利く機動性を売りに建設、土木、林業などのほか、山間部や積雪地帯の生活者ニーズ、さらにレジャーにも使えるコンパクト四輪駆動車という市場を開拓したのです。いってみれば働く男のクルマでした。

 2代目は男のクルマだけではなく、“自由な気分が好き”などのキャッチコピーで、さらに個人ユーザーを取り込むフルモデルチェンジとし、92年にはAT車も投入しており、翌93年には過去内最高の年間3万台超える販売を記録しました。

 3代目は98年1月に小型車を先行販売し、その年10月の軽自動車の規格改定に合わせて後から軽が登場。当時は時代背景もあって乗用車的な付加価値、乗り味を取り入れ、以来20年にわたって改良を重ねてきました。そして、今回の4代目は無駄のない機能とデザインで原点に戻ろうと」

 ブームが続くSUVも含め、流線形を多用したデザインのクルマが溢れかえる中、4代目ジムニー・ジムニーシエラの、ハッとするほどスクエアな車体は多くの人が新鮮に感じるはずで、斬新な外観のみならず、頑丈なラダーフレーム、パートタイム4WDなど、ジムニー伝統の基本構造も継承、進化している。

 スズキではジムニーユーザーとして3グループを想定している。

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