「ドラフト上位やFA移籍で入団した選手を厚遇すれば強くなれると思い込んでいるところが大間違い。ドラフト下位の選手を二軍で鍛え、特別扱いで一軍に安住する選手と入れ替えて競争意識を刺激すれば、チームはいくらでも強くなる。
V9時代はレギュラーが固定されていたように思われがちですが、全く違います。川上(哲治)監督はレギュラーの座に胡座をかく者を脅かす選手を次々と獲ってきた。嫌がらせのようにね(苦笑)。だからこそ長嶋(茂雄)も王(貞治)も森(昌彦)も厳しい練習を自分に課して成長した。
でも、今はドラ1で入った選手を甘やかすから、すぐに“あそこが痛い”“違和感がある”などとサボり出す。名前は挙げないけど、そんな選手ばかりですよ」
巨人の二軍事情に詳しいスポーツライターが語る。
「問題を起こした選手に共通しているのは“どうせ一軍には枠がない”“試合で失敗すればすぐに多摩川(ジャイアンツ球場)戻り”という諦念です。不祥事の言い訳にはなりませんが、自棄になったり私生活で鬱憤晴らしをしたくなる気持ちは分からないでもない」
エリートはとことん守られ、下っ端はボロ雑巾のように捨てられる──そんな“伝統”と訣別しなければ、「球界の盟主」の座はますます遠ざかっていく。
※週刊ポスト2018年8月3日号