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90銘柄運用の外山滋比古氏の投資哲学 バフェット氏に通ずる

10年間で大きく上昇した株も

 60歳までに必要な貯蓄は2000万円か、3000万円か……そんな議論の“前提”が大きく変わりつつある。100歳まで生きることが当たり前の時代に、定年後マネーをどう考えるべきか。

「貯蓄ばかりじゃなく、投資に挑戦しないと!」──そう力強く語るのは、30年以上も読まれ続ける稀代のロングセラー『思考の整理学』(ちくま文庫)著者の外山滋比古氏(94)だ。新時代の「定年後のお金戦略」を“知の巨人”の言葉とともに考える。

 現在約90銘柄を運用するという外山氏は銘柄選びで、“自分の頭で考える”ことの重要性を強調する。

「証券会社の人の言うことを安易に聞いちゃ、ダメですよ! それをやってしまうと、思考力は鍛えられません。だいたい、彼らは自分が属する証券会社を儲けさせるために(銘柄を)提案するのであって、僕らを儲けさせるために提案するわけじゃないから(笑い)。

 限られた元手を使う以上、いきなり株を買うのではなく、シミュレーションから始めるのがいい。新聞の株価欄をチェックして、気になる銘柄をピックアップする。その株を『×株購入した』と“仮定”して、毎週、ノートに株価の推移をメモしていくのです。

 短くとも3か月、長くて1年ほど続けたところで、結果を見る。自分がもし、その銘柄を買っていたら、いくら得をしたのか、あるいは損したのかがわかります。実際にその銘柄を買うのは、シミュレーションの後で判断すればいい」(カギ括弧内は以下、外山氏)

 そうやって“練習”を重ねた上で、実際に購入していくのだ。

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