たんぱく質の摂取源として、白澤氏が勧めるのは「豚肉」だ。
「長寿研究をしていると、長寿者の中には肉好きが多いことに驚きます。特に豚肉には疲労回復を進めるビタミンB1が大量に含まれている。これが不足すると認知機能の低下や記憶障害を引き起こしやすくなります。なかでもヒレ肉はばら肉と比べてビタミンB1の量が2倍含まれており、脂肪やカロリーが少ない」
日本では、高齢者がたんぱく質を摂るなら「肉より魚」と考える人は少なくない。
「すき焼き用の牛肉100gで30gのたんぱく質が摂れますが、120g前後のアジ一匹を塩焼きにしても摂取できるたんぱく質は15gだけです。なかでも、脂肪が少ない赤身肉は噛み応えがあり、高齢者には咀嚼自体が噛む力や体力の増強につながります。歳をとって脂っこい肉が苦手になった高齢者でも赤身肉なら食べやすい」(白澤氏)
※週刊ポスト2018年8月3日号