ビジネス

マツダの魂動デザイン生みの親 部下への誉め言葉は「変態」

前田育男氏(常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当)

 いま、マツダのカーラインアップを見ると、スポーツカー「ロードスター」をはじめ、「CX-5」「アテンザ」など、どれも洗練されたデザインで、ひと昔前とは打って変わってプレミアムブランドの仲間入りを果たした感がある。ブランド刷新の絵を描いたのは、“魂動”と呼ばれるデザインコンセプトの生みの親、前田育男氏(常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当)だ。インタビュー【後編】では、前田流「部下の育成法」からこれからのクルマ社会やマツダの立ち位置、極めたいクルマの姿などについて聞いた。

――クルマづくりはデザインも含めてチームプレーが大切で、部門トップの独断だけではうまくいかないこともあると思います。前田さんが部下の育成法で一番心掛けていることは何でしょうか。

前田:最も注意しているのは、のっけから部下に具体的な指示をしないようにしていることですね。最初に指示してしまうと、その指示通りの成果が返ってくるだけで、それ以上のものは絶対に出てきませんから。

 また、“生煮え”に近い仕事の成果だったり、ある水準の仕事で本人が満足してしまっていた場合、ああしなさい、こうしなさいと指示はせず、「それがオマエの100点満点か?」とか「これでいっぱいいっぱいの全力か?」と、それだけしか言いません。

──もちろん個人差はありますが、いまの若い世代は言われたことは忠実にこなしても、自ら考え出していくことが苦手な人が多いのではないですか。

前田:一般的にはそう言われていますが、20代前半ぐらいの若手デザイナーでも食い下がってくる人はいますし、そういう人は伸びますね。結局、自分の能力をどう生かすかとか、自分は誰と戦っていて、何をしなければいけないかの目標が、はっきりと見えてない人が多いんじゃないでしょうか。そこが見えていれば頑張れるはずです。

 部下には「絶対に僕が期待している以上の成果を持ってきてくれ」といったアプローチをしています。各々得意領域がありますから、そこは見極めたうえで、この仕事なら彼だなとか、若くてもリーダーにして責任を持たせたり、あるいはメンバーを入れ替えたりして、部下ごとに目標設定を丁寧に定めています。

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン