マツダ車の洗練・統一された魂動デザイン

──社内では“変態”というのが最大の誉め言葉だそうですね。

前田:何回ダメ出しをしても、腐るどころか逆に奮起して努力するような部下を、私は最大級の誉め言葉として“変態”と呼んでいます。要はおかしいと思われるくらい仕事にこだわる人たちのことです。

「楽にモノを作るな、本当に丁寧に作れ」と僕はよく言うんですが、効率化一辺倒の世の中からはいいモノは生まれません。シンプルに愚直に、効率化とは逆行していく仕事をするしかないと思っています。

──叱って伸びるタイプ、誉めて伸びるタイプ両方いるわけですが、前田さんの場合はどういう指導法ですか。

前田:いい仕事をしたなと思ったら、純粋に滅茶苦茶誉めますよ。それこそ拍手もするしハグもする。逆にダメだった場合は、叱っていい人と悪い人とを区別するような面倒くさいことは考えず、さっき言ったように「これが100%の力か?」とだけ、誰に対しても分け隔てなく言いますね。そういうところは、ストイックに心を鬼にしています。

 なぜなら、そこで上司が「時間が足りなかったか」などと妥協した態度を見せた途端、もうそこで終わってしまいます。仮に時間の制約がネックになっても、「オレが責任をもって時間を作るから妥協はするな」とギリギリまで頑張らせます。

──デザイナー、あるいはクレイモデラ―など専門職の社員にも、優れた技術や技能を発揮すれば部長や幹部社員に匹敵する待遇を用意するなど、前田さんは社内の人事・評価制度も変えました。専門職の人たちのモチベーションもかなり上がりますね。

前田:頑張っていい成果を出した社員は当然、いい対価を得るべきだし、いい成果がそのまま給料に反映されるという、シンプルな評価制度になりました。

 結局、その社員がマツダというブランドに対してどれだけ貢献したか、そういう視点でポジションも給料も決めていくことを心掛けてやってきました。そのためにはリーダーの考え方や方向性の打ち出しで表現はいろいろあっても、軸だけはずっとぶらさないように心掛けてきました。そこが揺らいでしまうと、部下もバラバラになってしまいますからね。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン