さやかは、勤めていた出版社を寿退社した日に婚約を破棄され恋人に逃げられてしまう。カリスマ編集長・宇佐美博人(伊勢谷友介)に、「半年以内に結婚」という条件を出され婚活体験を連載することで女性誌編集部に拾われる。
編集長・宇佐美は常に上から目線で、さやかに言い放つ。「B級女」「一生独身決定」「お前の市場価値が相対的に低いからだ」。さやかは編集長の指示を受け「男に愛される女に」変わっていこうと奮闘。伝授された恋愛テクニックを追求し“愛されファッション”に身を固めて婚活に邁進……知的クールビューティー波瑠のイメージとはあまりにかけ離れた、自己肯定感の低い主人公。不条理に振り回され、しかしどこか仕方ないと受容しているようなさやか。現実ならセクハラ・パワハラと判定されそうな編集長と部下の関係。
もちろん、波瑠は挑戦のつもりかもしれません。ブログに書いていたように、一つのドラマへの出演が「損の連続になったとしてもいいのです」「苦労が大きければ大きいほど何かを自分の中に残してやる〜って意地」と感じながら仕事をしているのかも。
でもだからって、ここまでやる必要があるのかなと、ドタバタラブコメを見ていてふと辛い気分になってしまったのも事実です。事務所との関係や芸能界の駆け引きなど大人の事情は山ほどあれど、役者は時に、自分の意志によって踏みとどまることがあっていいのではないでしょうか。
波瑠はこれから何をどのように選択していくべきなのか?女優として、本当の意味でサバイバルしていくためには?──などと『サバイバル・ウェディング』を見ながら、むしろ「波瑠自身のサバイバル」について真剣に考えてしまいました。基本的に骨太で自分を持っていて、不条理を突破し活き活きとした夢を見させてくれる役者さん。そんな波瑠の魅力を信じている一人として、ちょっと辛口のエールを送ります。