「“来月には承認されるけど、今月はダメだ”というのは合理的ではありません。いち早く治療の環境を整えて、試してくれる医師はいないわけではありません。たとえば、免疫チェックポイント阻害薬は、現在承認されているがん以外にも効く可能性があります。免疫チェックポイント阻害薬の代表的な商品である『オプジーボ』は、在庫を持っている病院はたくさんある。そうした病院の中には“自費でいいなら打ってあげる”というところは少なからずあります。

 ただ、病院の施設も能力も玉石混淆なので、副作用が起きたときの対応などきちんとやってくれる病院を見極める必要があります。複数の医師から評判を聞くなどして、精査してください」

 免疫チェックポイント阻害薬については、「オプジーボ」以外にも、海外では新しく開発された製品もある。

「がん治療薬の中には、アメリカでは承認されているが、日本では未承認で、そもそも国内に在庫もないものがたくさんあります。そうした場合、ネットで『抗がん剤 個人輸入』などと検索して、個人輸入のための代理店を見つけて注文すれば入手できます。中には詐欺やインチキな代理店もありますので、知名度がある代理店を選ぶなど、注意が必要です」(上さん)

 ただし、個人輸入した薬を独断で服用するのは絶対に避けるべきだ。前出の室井さんが続ける。

「免疫チェックポイント阻害薬を個人輸入して使う場合は事前に必ず主治医に相談すべきです。この薬は副作用が複雑で、承認されていないがんに使用した患者が死亡したケースも報告されています。相応の知識と設備が整った病院で適切に服用するべきです」

 3つ目の方法は、海外での治療の道を探すことだ。CAR-T療法などの免疫療法は単なる薬の服用による治療ではなく、医師が血液を採取して細胞を培養するなど、細かな手順と技術が求められるため、日本国内の医療機関ではほぼ受けられない。

 その場合、究極の選択肢となるのが「海外治療」だ。

「日本では受けられない最先端の医療については、渡航して海外で受けるという選択肢があります。まずはがん研究の進んでいる国内の病院を訪れて専門医に相談すべきです。最先端の医師であれば、もともとアメリカに留学していたり、大学の同級生や先輩・後輩が海外の病院に勤めていたり、海外にネットワークを持っていることが多い。アメリカで活躍する日本人医師などを紹介してもらい、自分に合った治療を探してもらう方法があります」(上さん)

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