問題をめぐり、両方に存在する一部の過激派から飛び出す極論によって、議論がされるどころか、口汚く罵り合ったり暴力で相手を屈服させようとしたりして泥沼化する。今は昔と違い、そのやり取りの一部始終をネットで誰でも見られるから、一部の過激派たちの意見や主張がインパクトの有無のみで共有され続け、思想の極端化が増長されやすい。あらゆる問題が政治問題に取り込まれていくことで、悲しむ人々、苦しい人々の気持ちを押しのけて、空虚な思想論争ばかりが繰り広げられる。

 わが国においては「#MeeToo」運動も、同じような経緯で言葉だけが消費され、再び当事者が声を上げづらい世の中に戻り、取り上げるマスコミも政治家も、ほとんどいなくなってしまった。こうした事態は、大変に悲しくそして情けなく、何か大きな不幸の到来を予感させる。考えることを辞めた人たちが、あまりにも多すぎるのではないかと思うのだ。

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