本誌・週刊ポストが香川にある支店前でA氏に直撃すると、こちらの質問を遮るように「(組織的な不正では)ない、ない」と繰り返すのみ。
ただ、改めてA氏の発言についてヤマトHDに問うと、「調査委員会において、詳細な調査と原因の究明に取り組んでいる」と、明言を避ける答えだった。
ヤマトHDの不祥事の歴史を紐解くと、いずれの対応を見ても、不正の存在を認めながら、“組織的なものではない”という弁明が繰り返されてきた。2007年のヤマト運輸での労働時間改ざん問題の際は、「会社として指示していない」とし、2016~2017年にかけて発覚した残業代未払い問題では、当時のヤマト運輸の社長が「現場に目が行き届かず、労働時間の管理が万全でなかった」と発言。その上で、計約190億円の未払い残業代を支払った。
そして、今回の過大請求。またも後になって検証したら「やはり組織的な問題だった」という結論で傷口を広げはしないか。“クロネコ”が利用者の信頼を裏切る行為を続けていることだけは確かだ。
●取材協力/伊藤博敏(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年8月31日号