芸能

『カメラを止めるな!』聖地巡礼、これは事件であり奇蹟だ

古谷経衡氏が聖地巡礼

 既に別テーマで『SAPIO』での連載シリーズ「熱狂を歩く」の原稿を予定していた評論家・古谷経衡氏だったが、話題の映画『カメラを止めるな!』を鑑賞するや、同作を取りあげたい、との強い意向を持つに至る。列島の熱狂および、筆者の熱狂を届ける本連載のため、映画のロケ地である芦山浄水場(茨城県水戸市)を歩いた。

 * * *
 灼熱の列島を、いま「爽快な熱狂」が駆け巡っている。映画『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督、以下『カメ止め』)の熱狂的大ヒットである。6月、都内たった2館から始まったこの、スタッフもキャストも全く無名の、製作費300万円余で創られたインディーズ映画は、公開されるやいなやSNSでたちまち爆発的話題を呼び、7月を経て8月に至るや、全国で190館以上に拡大。観客動員数は8月下旬で40万人を突破し、全国ランキングで8位(8月18日~19日)に入った。

 しかも現在でも劇場では満員御礼の状況が続き、「観たくても観られない」という声が続出。正に『カメ止め』の快進撃は始まったばかり、と言うところなのである。

 低予算故、集客をSNSに頼らざるを得ない。しかしその余りにも高い完成度が故に次々と口コミに火が付き、観客が劇場に殺到する…この構造は、片渕須直監督のアニメ映画『この世界の片隅に』の大ヒットの過程に驚くほど酷似する(本連載2017年1月号特集)。が、『カメ止め』の製作規模は『この世界の~』より更にずっと小さく、実際の撮影日数は(ロケハンを除いて)たったの8日だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン