国際情報

混乱のイラクで愛を撒くドクターの物語

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 地域医療に長く取り組んできた諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師は、チェルノブイリの子供たちへの支援など、海外での医療支援にも積極的に取り組んでいる。ほぼ1年ぶりに訪れることができたイラクの診療所で出会ったのは、まとめ役をしているバッサーム医師だ。彼がなぜ「愛の人」と呼ばれているのか、鎌田医師が伝える。

 * * *
 イラクの難民キャンプは、気温42度。熱風がかたまりになって吹いていた。

 再三、入国申請したが、イラク国内の混乱でビザが下りなかった。ほぼ一年ぶりに入国が叶ったが、過酷な暑さが体力を奪っていく。

 キャンプ生活を余儀なくされている人たちの健康を守るため、ザイトゥーンPHC(プライマリ・ヘルス・ケア)診療所を訪ねた。ぼくが代表をしているJCF(日本チェルノブイリ連帯基金)がかかわって出来た診療所だ。

 まずは、健康になるための情報を知ってもらいたい。モスルで小児科医をしており、現在は信州大学で小児白血病の遺伝子解析をしているリカア先生とともに、減塩を心がけること、野菜を多く摂ること、運動の大切さについて話した。全員でスクワットやかかと落としをやってみると、緊張がほぐれ、みんなから笑顔が出てきた。

 今回は、長野県と埼玉県から看護師2人が同行し、体脂肪率を測定できる体重計で測定したり、肥満度の目安になるBMIを計算して数字を示した。これが意外に好評だった。体脂肪率から推定される健康年齢が出ると、ワッと笑い声が上がる。98kgの女性が、初めて自分の体重とBMIを知り、自分が太っていることを認識した。思わず笑ってしまったが、健康づくりのスタートは、現実を認識することから始まるのだ。

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン