「精日」現象をめぐっては8月16日、中国版ツイッター「微博」に「安倍(晋三)首相はおれのおやじだ」などと書き込んだ安徽省馬鞍山市の18歳男性が警察当局に拘束されたほか、今年3月には南京市の男性(27)がインターネット上で「もう一度、日本人に(南京で)虐殺をさせるべきだ」などと投稿したことで、警察はこの男を刑事拘留処分にしている。
今年3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、中国の王毅外相が記者会見した際、「現代快報」は「外相、ここのところ『精日分子』が中華民族の最低ラインを越えた挑発を行なっていることを、あなたはどう見ていますか?」と質問。これに対して、外相は「精日分子は中国人のクズだ」と激しく批判したことが大きな話題になった。
ある中国法研究者は「この外相の発言が南京市の条例案提出の原因となったようだ。条例は南京市外でも有効とされる場合があり得るし、中国人ばかりではなく、外国人観光客や外国人ジャーナリストも当然対象になる」と指摘している。
南京市の条例案は近く採決され可決される見通しで、南京大虐殺への異論発表や旧日本軍のコスプレ写真投稿などは「犯罪」とみなされ、違反者は合法的に罰せられることになるが、罰則規定などは公表されていない。