◆「大学合格実績」から多様な視点での学校選択へ
リーマンショック以降減少していた受験者数も、2015年以降4年連続で増加している。大学入試改革・グローバル化時代への対応で、中高一貫教育が優れているので、わが子の将来を考えたときに私立中高一貫校に進学させておきたいと考える保護者が増えているのだ。
ことに最近、「アクティブラーニング(能動学修)」「ICT(情報通信技術)教育」「探究」「グローバル教育」「サイエンス教育」「国際交流」など特色のあるプログラムを展開している学校が多く、わが子を伸ばしたい方向に合った学校を選ぶという傾向が見られる。
<アクティブラーニング>
・桐蔭学園/全校を挙げてアクティブラーニングに取り組む
<ICT教育>
・聖徳学園/授業のみならず、教員会議もペーパーレス。学校全体がICT化
<探究>
・トキワ松学園/時間割に「思考と表現」が組み込まれている
<グローバル教育>
・佼成学園/モンゴルなど多様な海外体験の機会が豊富
・神田女学園/第二外国語も学ぶ。神田外国語大学とも連携
<サイエンス教育>
・文京学院大学女子/文科省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校
偏差値「40」でも教育内容は高い学校以上のところはいくらでもある。また、このように学校ごとに教育内容に差異が生まれるにつれて、以前のような「偏差値が高い・低い」「大学合格実績が良好・不振」という学校選びから、わが子を伸ばしたい分野が得意な学校を探すという動向が見られるようになった。
リビングで、模試の成績と偏差値表とをにらめっこする時代ではもはやなくなっている。わが子の資質、興味等をしっかり把握したうえで、自分の足で歩いて学校の中身をきちんとつかむことをお勧めしたい。