洋楽では、お姉さんがいる友達が推すザ・ビートルズと、アイドル的存在のザ・モンキーズがいて、いまから思えば比較するのは不自然なのだが、当時は、大きく分けて2つの派閥があった。
 
 だが、洋画のスターでは、アラン・ドロンがぶっちぎりの1位であり、別格だったのである。

 そんなアラン・ドロンが一昨年80才となり、「お元気なうちに会えないものか、映画の話やこれまでの人生について話を聞けないものかという、衝動に似た思いで企画を立ち上げた」と件の女性プロデューサー。
 
 エージェントに手紙をしたためたり、電話連絡をすること半年。彼女の想いはアラン・ドロンに通じ、そこから改めてテレビ局へ提出する企画書を書き上げたのだという。当初、テレビ局のスタッフも「本当に出てくれるの?」と半信半疑だったそうだが、交渉はさらに具現化していき、構想2年、ついにパリでの本人取材が叶ったのだという。

 実はそれまでに2度、先方からリスケがあったそうだが、「大スターとは、そういうものか」とスタッフ一同納得したそうだ。2度、キャンセルに遭った理由を、件の女性プロデューサーは次のように分析している。

「彼は超がつくほどの完璧主義者だと思うのです。『太陽がいっぱい』に出演したとき、彼を押し上げた多くの日本のファンのために、最高のコンディションでカメラの前に立ちたかったのだと思います」と。そんな彼女は、今年1月、パリの高級ホテルの一室でついにアラン・ドロンと対面した。ちなみにそこは、パリ郊外に住むアラン・ドロンが定宿としているホテルだそうで、御指定だったそうだ。

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